渡邊人事労務パートナー事務所便りを平成27年1月号をお届けします

社会保険労務士法人 渡邊人事労務パートナーズ 代表社会保険労務士 渡邊武夫
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皆様明けましておめでとうございます。新年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。
この新たな年が皆様にとり更なる飛躍の年となるよう祈念申し上げます。
毎月皆様にお届けの渡邊人事労務パートナー事務所便りも引き続きご愛読賜りますようお願い申し上げます。

雇用促進税制が今年も利用できます
◆雇用促進税制利用をお勧めします
安倍政権の重要政策課題として雇用促進が掲げられておりますが、雇用促進の具体的施策として雇用促進税制がございます。青色申告を行っている中小企業の皆様にとてもメリットのある税制であり、今年も利用可能のため改めてご案内いたします。特に個人事業主の場合、申告時期は1月1日から2月末までと締切が迫っております。雇用増加計画がある会社は節税効果の観点から是非ご活用をお勧めします。

◆税制優遇が受けられる企業
中小企業では雇用保険被保険者数を1年間で10%以上かつ2人以上増やすなどの所定の要件を満たした事業主に対し税制優遇(税額控除)が認められます。つまり雇用保険被保険者数が20名以下の会社であれば、雇用保険被保険者を2名増加させれば、年度末決算で税額控除が可能となります。

◆優遇される金額
 法人税額(個人事業主の場合は所得税額)から従業員増加1人当たり40万円(2名で80万円)の税額控除が受けられます。なお、納付する法人税額(所得税額)の20%が上限ですが、例え上限の20%でも納付する税金が軽減されれば大きなメリットになります。

◆申請手続き
   この優遇措置を受けるためには、目標の雇用増加数などを記した「雇用促進計画」を、事業年度開始後2カ月以内に管轄のハローワークに提出することが必要です。そして決算時点で雇用保険被保険者が10%以上かつ2名以上増加となればハローワークへ申告書を提出し、その書類を税務申告書類に添付すれば税額控除が受けられることになります。なお、「雇用促進計画」が目標に達しない時でもペナルティーはありません。ご要請をうけて当事務所で申請手続きを行っております。

雇用情勢と助成金(奨励金)制度の関係
◆助成金制度は雇用情勢を反映する鏡です
長い間事業主の皆様のため助成金のお手伝いをさせて頂いておりますと、助成金制度は雇用情勢を反映する鏡と実感いたします。

経済不況のため有効求人倍率が低調で、完全失業率が高止まりしている厳しい雇用情勢では、政府(厚労省)は雇用の維持・開発に射程を向けて助成金制度を設計します。
例えば、2008年9月に発生したリーマンショックでは、日本の企業も甚大な影響を被った結果、企業から解雇された労働者が労働マーケットに溢れる状況にありました。厚労省はこの事態に対し「雇用調整助成金」を作り上げました。その助成金の意味は、「会社に仕事がなくとも従業員を解雇しないでほしい、解雇にせず休業扱いにすれば休業手当を助成金で面倒みよう」というものであり、規模の大小を問わず多くの企業がこの助成金のお世話になりました。

また、2011年は新規学卒者にとり、これまでにない就職超氷河期でした。学校は卒業したものの就職先が無く、連日求人先を巡り歩く学卒者が報道番組でもクローズアップされておりました。政府(厚労省)は社会問題化する学卒未就職対策として「3年以内既卒者採用奨励金」を作り上げました。この奨励金では、既卒者を直ちに正社員として受け入れれば、6カ月後に100万円を支給するといういわば大判振る舞いのものでした。当職も多くのお客様にこの奨励金利用ご案内を行い受給までつなげさせて頂きました。しかしながら、助成金の本来目的に叶っているとはいえ、本当にこの様な金額を頂いてよいのか今でも申し訳ない思いがあります。

◆今後の助成金制度動向
2013年度は「若者チャレンジ奨励金」にスポットライトが当たった年でした。なにしろ4月の奨励金取り扱いスタートから8月で予定予算完了売り止めになった程人気の出た奨励金です。
 この助成金は、有期契約労働者に対して教育訓練を施し、正社員化することにより奨励金が支給されるものであり、例えば6ヵ月間教育訓練(90万円)を行い、職場定着2年間(100万円)で総額190万円にもなりました。

 そして、失業率が低下し、有効求人倍率も改善した現在では、労働者のキャリア形成と正社員化がメインテーマとされております。これに対応する助成金としてキャリアアップ助成金があり、有期契約労働者への教育訓練に対する経費や賃金の助成、そして正社員登用での助成(1名当たり50万円)と上手に利用すれば助成金額も多額になります。この助成金を利用する際には事前に管轄ハローワークへ計画書を提出する必要がありますので、弊事務所へご一報下さい。

事務所長からの一言
 当職が毎日楽しみにしている日経新聞の「私の履歴書」欄に、今回は王貞治さんが登場しております。その記事の中で、王さんが親の希望である電気技師となるべく私の母校都立墨田川高校(旧制府立7中)を受験し失敗して早稲田実業高校に入学したと知り、人生の禍福はあざなえる縄のごとしの感慨を新たにいたしました。

なにしろ都立墨田川高校は、永井荷風の「墨東綺譚」の舞台となった墨田区向島にあり、下町・花街情緒たっぷりのロケーションであり、野球を行う満足なグラウンドも硬式野球部もありませんでした。もし王さんが都立墨田川高校受験に成功していたら、世界のスーパースター王貞治は間違いなく誕生していませんでした。そして、王さんがプロに入ってから、早稲田実業高校の練習の方がよほど厳しかったと述懐する位、早稲田実業高校で鍛えられたからこそ、世界の王選手が生まれましたのでしょう。
また、高校3年夏最後の甲子園を目指した決勝戦で敗れた結果、野球に対する不完全燃焼の思いが強くなり、大学進学を選択せずそのままプロ野球の道へ進んだとも書かれております。もし、高校3年夏の甲子園に出場でき、大学進学で4年間回り道をしていたら、ハンク・アーロンを超える756本の本塁打の他、多くの大記録が生まれなかったか遅れてしまったことでしょう。

王さんにとり、高校受験失敗、甲子園敗退とその時は人生の禍と思われたことが、後には人生を変える福に転じております。まさに禍福はあざなえる縄のごとし、人生万事塞翁が馬です。これは王さんだけのことではなく、全ての人に言えること思います。この事務所便りをお読み頂いております中小企業の事業主の方々も、現在の会社に成し遂げるまでには多くの禍の連続であったと思いますが、それらの禍は福に転じております。人生の復元力はとても強いと思います。今年も良いことばかりが続くとは限りませんが、万一禍事が起こったときには、次はそれが必ず福に転じると念じて心新たに前を向いて進みたいものと思います。

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