OTC類似薬をご存じですか
なんだか喉が痛い、胃がもたれる、或いは筋肉痛が酷い様な時に、皆様は薬局で市販薬を購入することがあるでしょう。OCT類似薬(Over The Counter)とはこのように薬局で医師の処方箋なしで対面販売される医薬品のことです。
一方、医療機関で受診し処方箋を出してもらえば保険を利用した安価な薬剤が手に入ります。同じ薬効でも市販薬に比べて処方箋で10分の1の値段になる薬もあるそうです。
このような現状に対して、厚労省では、2026年度以降OCT類似薬を保険対象から外し、薬局で購入させることを検討しております。早い話が、風邪薬、胃腸薬、湿布など軽微な病気に対して処方箋を出しませんよ、薬局で自費購入して下さいねということです。そして、OCT類似薬の対象範囲を多くの病気に広ければ広げるほど患者の自己負担は大きくなります。
今厚労省が国民に求めることは「セルフメディケーション」です。「セルフメディケーション」とは、自分自身の健康に責任を持ち、軽度な体の不調は自分で手当することです。言い換えれば、軽度な体の不調は医者に行くよりも薬局でOCT医薬品を購入して直してくださいということです。逼迫する医療保険財政を軽減させる政策です。
これに対して、日本医師会では「必要な受診が控えられ、健康被害につながる」と強い反対意見が出されております。病院によっては待合室にOCT医薬品適用拡大に反対する日本医師会の意見ポスターが掲示されております。
この様な中で、日本維新の会が厚労省方針に賛成しており今後OCT医薬品の適用拡大が考えられます。しかし、自分が風邪と思って医薬品を買い求めたところ、実は重大な疾患が隠れており診断の遅れにつながることもあります。OCT医薬品の過度の保険外しにならないよう望みます。かくいう私もかかりつけ医師から処方箋を出してもらい、薬局で買えば割高な筋肉痛の湿布薬ロキソニンテープを備蓄しております。
専務が労災適用?
先日朝日新聞で驚く見出しの新聞記事が掲載されておりました。従業員40名の建設会社専務取締役に対して過労死労災が適用されたとのことです。いうまでもなく労災は労働者を保護する制度であり、役員は除外される筈です。では何故今回は役員へ労災が適用されたのでしょうか。遺族が最初に相談した弁護士は「役員なので労災認定は難しいです」と常識通りの回答があったそうです。諦めきれない遺族が相談した過労死に詳しい弁護士の後押しの結果、労基署から労災認定が下りました。
本件での労基署判断では、肩書は専務といえ実態は現場監督労働者であるとされたことです。労働者性判断基準は次の通りです。
1. 上席から指揮監督を受けている。
2. 指示を断る自由がない。
3. 勤務時間や勤務場所を拘束されている。
亡くなった専務の会社では業務執行権は専ら代表が握っており、専務は実質代表の指揮の下で働く労働者であったこと、そして残業時間は月平均100時間以上(過労死ラインは80時間)であることが出勤簿で明確のため、過重労働と急性心筋梗塞に因果関係を認められました。要するに労災を判断すべきポイントは役職名ではなく働かせられ方の実態であることです。
厚労省では、より実態に即した労災認定ができるように、今年5月に研究会を立ち上げました。今回のような建設業の専務兼現場監督、運送業の常務兼運転手など中小企業に良くある事例に適切に対応できる認定基準が待たれるところです。
年5日の年休計画取得状況
2019年の働き方改革により、年次有給休暇を10日以上保有する労働者に対し会社は必ず5日の有給付与が義務化されました。貴社では確実に法令対応出来ておりますでしょうか。厚生労働省の調査によると、年休時季指定の運用方法は次のような割合(10人未満事業所を除く)になっています。
@ 年度始めに計画年休制度により年5日を指定 16.3%
A 労働者の意見を聞いた上で使用者が年5日を指定 14.2%
B 労働者の取得に委ねて年5日取得できている 62.0%
C 労働者の意見を聞かずに使用者が年5日を指定 1.9%
D 指定できておらず、年5日取得できていない 3.4%
年休計画取得は従業員が増えることで管理が難しくなります。管理のためには制度化が必要ですが、一方で硬直した計画は個々の労働者の意向に反することもあり、自社なりの最適化を図ることが必要です。なお、上記Dに対しては法令違反として罰金30万円が課せられることもありますのでご注意下さい。
なんだか喉が痛い、胃がもたれる、或いは筋肉痛が酷い様な時に、皆様は薬局で市販薬を購入することがあるでしょう。OCT類似薬(Over The Counter)とはこのように薬局で医師の処方箋なしで対面販売される医薬品のことです。
一方、医療機関で受診し処方箋を出してもらえば保険を利用した安価な薬剤が手に入ります。同じ薬効でも市販薬に比べて処方箋で10分の1の値段になる薬もあるそうです。
このような現状に対して、厚労省では、2026年度以降OCT類似薬を保険対象から外し、薬局で購入させることを検討しております。早い話が、風邪薬、胃腸薬、湿布など軽微な病気に対して処方箋を出しませんよ、薬局で自費購入して下さいねということです。そして、OCT類似薬の対象範囲を多くの病気に広ければ広げるほど患者の自己負担は大きくなります。
今厚労省が国民に求めることは「セルフメディケーション」です。「セルフメディケーション」とは、自分自身の健康に責任を持ち、軽度な体の不調は自分で手当することです。言い換えれば、軽度な体の不調は医者に行くよりも薬局でOCT医薬品を購入して直してくださいということです。逼迫する医療保険財政を軽減させる政策です。
これに対して、日本医師会では「必要な受診が控えられ、健康被害につながる」と強い反対意見が出されております。病院によっては待合室にOCT医薬品適用拡大に反対する日本医師会の意見ポスターが掲示されております。
この様な中で、日本維新の会が厚労省方針に賛成しており今後OCT医薬品の適用拡大が考えられます。しかし、自分が風邪と思って医薬品を買い求めたところ、実は重大な疾患が隠れており診断の遅れにつながることもあります。OCT医薬品の過度の保険外しにならないよう望みます。かくいう私もかかりつけ医師から処方箋を出してもらい、薬局で買えば割高な筋肉痛の湿布薬ロキソニンテープを備蓄しております。
専務が労災適用?
先日朝日新聞で驚く見出しの新聞記事が掲載されておりました。従業員40名の建設会社専務取締役に対して過労死労災が適用されたとのことです。いうまでもなく労災は労働者を保護する制度であり、役員は除外される筈です。では何故今回は役員へ労災が適用されたのでしょうか。遺族が最初に相談した弁護士は「役員なので労災認定は難しいです」と常識通りの回答があったそうです。諦めきれない遺族が相談した過労死に詳しい弁護士の後押しの結果、労基署から労災認定が下りました。
本件での労基署判断では、肩書は専務といえ実態は現場監督労働者であるとされたことです。労働者性判断基準は次の通りです。
1. 上席から指揮監督を受けている。
2. 指示を断る自由がない。
3. 勤務時間や勤務場所を拘束されている。
亡くなった専務の会社では業務執行権は専ら代表が握っており、専務は実質代表の指揮の下で働く労働者であったこと、そして残業時間は月平均100時間以上(過労死ラインは80時間)であることが出勤簿で明確のため、過重労働と急性心筋梗塞に因果関係を認められました。要するに労災を判断すべきポイントは役職名ではなく働かせられ方の実態であることです。
厚労省では、より実態に即した労災認定ができるように、今年5月に研究会を立ち上げました。今回のような建設業の専務兼現場監督、運送業の常務兼運転手など中小企業に良くある事例に適切に対応できる認定基準が待たれるところです。
年5日の年休計画取得状況
2019年の働き方改革により、年次有給休暇を10日以上保有する労働者に対し会社は必ず5日の有給付与が義務化されました。貴社では確実に法令対応出来ておりますでしょうか。厚生労働省の調査によると、年休時季指定の運用方法は次のような割合(10人未満事業所を除く)になっています。
@ 年度始めに計画年休制度により年5日を指定 16.3%
A 労働者の意見を聞いた上で使用者が年5日を指定 14.2%
B 労働者の取得に委ねて年5日取得できている 62.0%
C 労働者の意見を聞かずに使用者が年5日を指定 1.9%
D 指定できておらず、年5日取得できていない 3.4%
年休計画取得は従業員が増えることで管理が難しくなります。管理のためには制度化が必要ですが、一方で硬直した計画は個々の労働者の意向に反することもあり、自社なりの最適化を図ることが必要です。なお、上記Dに対しては法令違反として罰金30万円が課せられることもありますのでご注意下さい。