2020年9月号|新宿区の助成金申請代行・就業規則作成なら、社会保険労務士法人渡邊人事労務パートナーズにお任せください。

社会保険労務士法人 渡邊人事労務パートナーズ 代表社会保険労務士 渡邊武夫
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2020年9月号

コロナによる労災申請 

◆コロナによる労災申請が増加しています
 皆様の会社では労働者災害補償保険(労災)を使われたことはありますでしょうか?最近のコロナウイルスによる疾患で多くの労災申請が行われておりますので今月号はコロナによる労災申請を取り上げます。

◆そもそも労災保険とは
 社員を一人でも雇用している会社は、必ず労災保険に加入しなくてはならない強制保険です。これは法人でも個人経営でも同じです。会社が労災未加入の状態で労災が発生した時でも被災労働者へ保険給付は行なわれます。ただし、この場合会社に対してペナルティーが発生し、仮に労災給付額が1000万円の労災事故では事業主へ1000万円(故意の未加入の場合)または400万円(重大な過失による未加入の場合)が法令により費用徴収されます。

◆労災申請が認められる一般事例
 労災申請が認められる場合とは次の二つの条件を満たす必要があります。
@労災が仕事を行うことで発生したこと
 (業務起因性)
A労災が仕事中に発生したこと
 (業務遂行性)

 一番分かりやすい事例としては、建設業従事者の方が建設現場で作業中に飛来物落下で死亡や負傷した時には、@、Aの条件が揃います。どれも客観的事実であり、この時には労災認定は100%です。

 認定が難航する事例としては、過剰な労働による脳・心臓疾患労災事故です。昨年度の認定率は32%であり、しかも認定に至るまでには相当な時間を要することになります。脳・心臓疾患労災事故申請では、本人にもともと基礎的な疾患があったのではないか、或いは、健康体の人でも脳・心臓がおかしくなるほどの長時間労働が事実としてあったのか等、@、Aを念入りに調査しますので時間を要します。

◆コロナに対する労災認定の考え方
コロナによる労災認定は、見えないウイルスが原因となっており、本来は労災認定がとても難しい性格の筈です。しかしながらことコロナについては、通常の労災審査にはないハイスピードで認定されており、9月時点で審査した案件について100%の労災認定が下りております。これは厚労省通達(「感染経路が特定されなくとも、リスクが相対的に大きい業務で、医学専門家の意見と労基署調査で、仕事による感染の可能性が高い場合には労災と認めること」)に従ったものです。

具体的には、下記事業等の従事者で、家族からの感染のない労働者に対して、労基署長が管轄労災医員の意見を徴して労災判断を行います。

9月17日までに労災認定された主な業種
@医療従事者:527社
A社会福祉・介護:19社
B運輸・郵便:14社
C宿泊・飲食サービス:4社
D建設業:4社
E製造業:3社
F小売業:2社

◆労災認定有無は天国地獄
 コロナに罹患して天国もないものですが、労災認定の有無により労働者が受ける保護は次の通り格段の違いがあります。

労災認定なしの労働者
@医療費補助:7割
A休業:傷病手当金 賃金日額の66%

労災認定ありの労働者
@医療費:全額労災給付
A休業:賃金日額の80%
B障害が残った時:障害補償年金
C死亡した時:葬祭給付
D死亡して遺族がいる時:遺族補償年金
E傷病が治癒しない時:傷病補償給付
F1級・2級障害者介護:介護補償給付

上記の通り、業務上でコロナに罹患した従業員にとり労災適用は大きな救済措置となります。

最低賃金が変更になります

◆今年の上がり方は様変わり
年中行事として最低賃金が変更になります。しかしこれまでは毎年大幅にアップしていた全国最低賃金も、コロナ問題で全国とも前年通り或いは数円のアップと正に様変わりしております。
 東京都では2016年から毎年26円、27円、28円と大幅アップしてきましたが、今年は前年通りとなりました。このことからもコロナが日本企業に与える影響の深刻さが痛感されます。

10月1日からの関東地区最低賃金
@東京 :1013円(前年通り)
A神奈川:1012円(+1円)
B千葉  : 925円 (+2円)
C埼玉  : 928円 (+2円)

事務所から一言

今回のシルバーウィーク4連休は、皆様どちらかへお出かけになりましたでしょうか。マスコミ報道によれば、この期間中何か日本全国が弾けたように人手が出たとされております。その気持ちは充分共感できます。
これまで何か抑圧された気分が日本全国を覆っている中で、コロナ第二波が落ち着きを見せ、GoToキャンペーンに東京も拡大されたとなれば、心ウキウキとなります。今の日本人のハイテンションはある意味お花見気分以上ではないかと思います。
私も気分的に4日間蟄居は出来ず、最終日に東京国立博物館へ出かけることにしました。調べたところ、事前エントリーが必要とのため申請も済ませましたが、事前エントリー制のためか、当日は殆んど人混みもなく、ゆっくりと展示物を見られたのも幸いでした。
東京国立博物館入口でマスコットがマスク着用をアピールしております。

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