税制適格年金だより5月号
「労災認定基準」の見直しで企業への影響は?
◆10年ぶりに見直し
厚生労働省は、仕事を原因とするうつ病などの精神疾患や過労自殺の労災認定基準について、10年ぶりに見直しを行いました。ストレス強度の評価項目を増やし、今年度から新基準での認定を始めます。
◆新たな判断基準の追加
精神障害に関する労災は、厚生労働省が1999年に作成した心理的負荷評価表に基づき、労働基準監督署が発病前6カ月間について、職場で起きた出来事のストレスの強さを3段階で評価し、判定します。「病気やケガ」「仕事内容の変更」「セクハラ」などの具体的な出来事の有無を判断材料として、総合判定で「弱、中、強」の3段階に分類し、強の場合、労災に当たるとしています。
認定基準の見直し後は、会社の合併や成果主義の採用、効率化など、働く環境の変化を念頭に入れ、ストレスの要因となる職場の出来事として「多額の損失を出した」「ひどい嫌がらせやいじめ、暴行を受けた」「非正規社員であることを理由に差別や不利益扱いを受けた」など、新たな判断基準として評価項目を31項目から43項目とし、12項目を新たに追加しました。
◆労災認定基準の見直しより大切なこと
今回の労災認定基準の見直しにより、それぞれの職場に沿った労災認定ができるようになることが期待されています。しかし、時代の変化により多様化・複雑化した労働者の精神疾患について、認定基準が細かくなり、職場の現状に見合った労災認定に近付けることは、労災補償の対象となるような病気になってしまった労働者にとっては喜ばしいことである反面、逆に◆10年ぶりに見直し
厚生労働省は、仕事を原因とするうつ病などの精神疾患や過労自殺の労災認定基準について、10年ぶりに見直しを行いました。ストレス強度の評価項目を増やし、今年度から新基準での認定を始めます。
◆新たな判断基準の追加
精神障害に関する労災は、厚生労働省が1999年に作成した心理的負荷評価表に基づき、労働基準監督署が発病前6カ月間について、職場で起きた出来事のストレスの強さを3段階で評価し、判定します。「病気やケガ」「仕事内容の変更」「セクハラ」などの具体的な出来事の有無を判断材料として、総合判定で「弱、中、強」の3段階に分類し、強の場合、労災に当たるとしています。
認定基準の見直し後は、会社の合併や成果主義の採用、効率化など、働く環境の変化を念頭に入れ、ストレスの要因となる職場の出来事として「多額の損失を出した」「ひどい嫌がらせやいじめ、暴行を受けた」「非正規社員であることを理由に差別や不利益扱いを受けた」など、新たな判断基準として評価項目を31項目から43項目とし、12項目を新たに追加しました。
◆労災認定基準の見直しより大切なこと
今回の労災認定基準の見直しにより、それぞれの職場に沿った労災認定ができるようになることが期待されています。しかし、時代の変化により多様化・複雑化した労働者の精神疾患について、認定基準が細かくなり、職場の現状に見合った労災認定に近付けることは、労災補償の対象となるような病気になってしまった労働者にとっては喜ばしいことである反面、逆に、今後はさらにうつ病や過労自殺の労災認定件数が増えていくように思われます。
職場に沿った労災認定基準の見直しの動きや労災認定者に手厚い補償をすることも大事ですが、労働者がうつ病や過労自殺に追い込まれないような労働環境の整備や労働条件の改善、そのような状況にならないための予防策を打ち出すことが、政府として一番取り組むべき課題なのではないでしょうか。
厚生労働省は、仕事を原因とするうつ病などの精神疾患や過労自殺の労災認定基準について、10年ぶりに見直しを行いました。ストレス強度の評価項目を増やし、今年度から新基準での認定を始めます。
◆新たな判断基準の追加
精神障害に関する労災は、厚生労働省が1999年に作成した心理的負荷評価表に基づき、労働基準監督署が発病前6カ月間について、職場で起きた出来事のストレスの強さを3段階で評価し、判定します。「病気やケガ」「仕事内容の変更」「セクハラ」などの具体的な出来事の有無を判断材料として、総合判定で「弱、中、強」の3段階に分類し、強の場合、労災に当たるとしています。
認定基準の見直し後は、会社の合併や成果主義の採用、効率化など、働く環境の変化を念頭に入れ、ストレスの要因となる職場の出来事として「多額の損失を出した」「ひどい嫌がらせやいじめ、暴行を受けた」「非正規社員であることを理由に差別や不利益扱いを受けた」など、新たな判断基準として評価項目を31項目から43項目とし、12項目を新たに追加しました。
◆労災認定基準の見直しより大切なこと
今回の労災認定基準の見直しにより、それぞれの職場に沿った労災認定ができるようになることが期待されています。しかし、時代の変化により多様化・複雑化した労働者の精神疾患について、認定基準が細かくなり、職場の現状に見合った労災認定に近付けることは、労災補償の対象となるような病気になってしまった労働者にとっては喜ばしいことである反面、逆に◆10年ぶりに見直し
厚生労働省は、仕事を原因とするうつ病などの精神疾患や過労自殺の労災認定基準について、10年ぶりに見直しを行いました。ストレス強度の評価項目を増やし、今年度から新基準での認定を始めます。
◆新たな判断基準の追加
精神障害に関する労災は、厚生労働省が1999年に作成した心理的負荷評価表に基づき、労働基準監督署が発病前6カ月間について、職場で起きた出来事のストレスの強さを3段階で評価し、判定します。「病気やケガ」「仕事内容の変更」「セクハラ」などの具体的な出来事の有無を判断材料として、総合判定で「弱、中、強」の3段階に分類し、強の場合、労災に当たるとしています。
認定基準の見直し後は、会社の合併や成果主義の採用、効率化など、働く環境の変化を念頭に入れ、ストレスの要因となる職場の出来事として「多額の損失を出した」「ひどい嫌がらせやいじめ、暴行を受けた」「非正規社員であることを理由に差別や不利益扱いを受けた」など、新たな判断基準として評価項目を31項目から43項目とし、12項目を新たに追加しました。
◆労災認定基準の見直しより大切なこと
今回の労災認定基準の見直しにより、それぞれの職場に沿った労災認定ができるようになることが期待されています。しかし、時代の変化により多様化・複雑化した労働者の精神疾患について、認定基準が細かくなり、職場の現状に見合った労災認定に近付けることは、労災補償の対象となるような病気になってしまった労働者にとっては喜ばしいことである反面、逆に、今後はさらにうつ病や過労自殺の労災認定件数が増えていくように思われます。
職場に沿った労災認定基準の見直しの動きや労災認定者に手厚い補償をすることも大事ですが、労働者がうつ病や過労自殺に追い込まれないような労働環境の整備や労働条件の改善、そのような状況にならないための予防策を打ち出すことが、政府として一番取り組むべき課題なのではないでしょうか。
中小企業・小規模企業向け共済を拡充へ
◆中小企業の安全網整備
昨年から続く100年に一度とも言われる大不況下で、多くの中小・小規模企業が厳しい経営状態に追い込まれているのが現状です。
このような状況の中で、経済産業省は、中小・小規模企業の安全網として位置付けられている「小規模企業共済制度」「中小企業倒産防止共済制度」の見直しを始めたようです。
◆2つの共済制度(その1)
「小規模企業共済制度」とは、小規模企業の個人事業主または会社等の役員が、事業を廃止した場合や役員を退職した場合など、第一線を退いたときに、それまで積み立ててきた掛金に応じた共済金を受け取ることのできる制度です。企業が廃業した際に経営者の生活や事業の再建を支えるための退職金制度といえるものであり、加入者は掛金を積み立て、事業廃業時に共済金を受け取ることができます。
今回の見直しの柱は「加入対象者の範囲拡大」です。現在は、小規模事業の「個人事業主」に加入対象者は限られていますが、「後継者」や「共同経営者」を加える方向に動いています。後継者が加入できるようになると、事業継承が円滑に進むようになり、家族などの共同経営者の引退後の生活保障を拡充する狙いもあります。
◆2つの共済制度(その2)
取引先が倒産して売掛金や手形等が回収困難になったときに連鎖倒産が発生するのを未然に防ぐため、毎月一定の掛金を積み立てておくことにより共済金の貸付けを受けることができる「中小企業倒産防止共済制度」も同様に見直しが検討されています。
今回の見直しでは、貸付金額の上限(3,200万円)を引き上げる方向に動いています。それは、取引先の倒産で回収が困難になる金額が現在の貸付上限の3,200万円ではカバーできない場合が増えているためで、4,000万円程度を軸に具体的な引上げ幅が検討されているようです。
そして、現在の制度では「破産手続きが開始したとき」や「金融機関による手形の取引停止処分を受けたとき」などに限って取引先の「倒産」としているため、私的整理で売掛金の回収が困難になった場合には貸付の対象にはなっていません。この「私的整理」を倒産の対象に加えるかどうか、「倒産」という定義自体の見直しも検討されています。
◆「真の安全網」を機能させるために
昨年からの不況下で、多くの企業で経営が厳しい状況にあります。経営の安定を図ることを目的としたこの2つの共済制度ですが、今回の見直しが「真の安全網」として機能するよう、そして利用しやすい仕組みになるように期待したいものです。
昨年から続く100年に一度とも言われる大不況下で、多くの中小・小規模企業が厳しい経営状態に追い込まれているのが現状です。
このような状況の中で、経済産業省は、中小・小規模企業の安全網として位置付けられている「小規模企業共済制度」「中小企業倒産防止共済制度」の見直しを始めたようです。
◆2つの共済制度(その1)
「小規模企業共済制度」とは、小規模企業の個人事業主または会社等の役員が、事業を廃止した場合や役員を退職した場合など、第一線を退いたときに、それまで積み立ててきた掛金に応じた共済金を受け取ることのできる制度です。企業が廃業した際に経営者の生活や事業の再建を支えるための退職金制度といえるものであり、加入者は掛金を積み立て、事業廃業時に共済金を受け取ることができます。
今回の見直しの柱は「加入対象者の範囲拡大」です。現在は、小規模事業の「個人事業主」に加入対象者は限られていますが、「後継者」や「共同経営者」を加える方向に動いています。後継者が加入できるようになると、事業継承が円滑に進むようになり、家族などの共同経営者の引退後の生活保障を拡充する狙いもあります。
◆2つの共済制度(その2)
取引先が倒産して売掛金や手形等が回収困難になったときに連鎖倒産が発生するのを未然に防ぐため、毎月一定の掛金を積み立てておくことにより共済金の貸付けを受けることができる「中小企業倒産防止共済制度」も同様に見直しが検討されています。
今回の見直しでは、貸付金額の上限(3,200万円)を引き上げる方向に動いています。それは、取引先の倒産で回収が困難になる金額が現在の貸付上限の3,200万円ではカバーできない場合が増えているためで、4,000万円程度を軸に具体的な引上げ幅が検討されているようです。
そして、現在の制度では「破産手続きが開始したとき」や「金融機関による手形の取引停止処分を受けたとき」などに限って取引先の「倒産」としているため、私的整理で売掛金の回収が困難になった場合には貸付の対象にはなっていません。この「私的整理」を倒産の対象に加えるかどうか、「倒産」という定義自体の見直しも検討されています。
◆「真の安全網」を機能させるために
昨年からの不況下で、多くの企業で経営が厳しい状況にあります。経営の安定を図ることを目的としたこの2つの共済制度ですが、今回の見直しが「真の安全網」として機能するよう、そして利用しやすい仕組みになるように期待したいものです。
5月の税務と労務の手続き[提出先・納付先]
10日
○源泉徴収税額・住民税特別徴収税額の納付
[郵便局または銀行]
○雇用保険被保険者資格取得届の提出
<前月以降に採用した労働者がいる場合>
[公共職業安定所]
○労働保険一括有期事業開始届の提出<前月以降に一括有期事業を開始している場合>
[労働基準監督署]
31日
○自動車税の納付[都道府県]
○健保・厚年保険料の納付[郵便局または銀行]
○日雇健保印紙保険料受払報告書の提出
[社会保険事務所]
○労働保険印紙保険料納付・納付計器使用状況報告書の提出[公共職業安定所]
○源泉徴収税額・住民税特別徴収税額の納付
[郵便局または銀行]
○雇用保険被保険者資格取得届の提出
<前月以降に採用した労働者がいる場合>
[公共職業安定所]
○労働保険一括有期事業開始届の提出<前月以降に一括有期事業を開始している場合>
[労働基準監督署]
31日
○自動車税の納付[都道府県]
○健保・厚年保険料の納付[郵便局または銀行]
○日雇健保印紙保険料受払報告書の提出
[社会保険事務所]
○労働保険印紙保険料納付・納付計器使用状況報告書の提出[公共職業安定所]