2025年11月号
年末調整への怒り(誤解です!)
◆お客様からの怒りの電話
毎年12月には皆様の給与に対して年末調整が行われます。当事務所のこれまでの経験では幾度か年末調整結果に対して事業主様からお怒りの電話を頂いておりますので、誤解のないよう今月号で年末調整の仕組みをご案内いたします。
以前12月の社員年末調整一覧をご覧になった事業主様から語気を荒げたお電話を頂きました。
「なぜ社員の今月の給料がこんなに上がってしまうのですか!」
「計算間違っていませんか!」
「この上がった分の出所は会社なのですか?」・・・
事業主様が年末調整の結果を見て、このように驚かれ,ある意味でお怒りになるのは最もと思います。実はその前年も同じような電話を別な事業主様から頂いております。特に住宅ローン控除などの税額控除の場合には多い方は控除額が10万円台にも上るので、事業主様の驚き方も半端でなくなってきます。
◆支給額アップ額の出所は納付済み源泉所得税です
毎月の給与明細を見ると「源泉所得税」があります。役員も社員も毎月自分の給与から所得に応じて税金を納めております。これが源泉所得税であり、この金額は月額表スケールで一律決定して国に納付することになっております。
社員の中には、扶養家族が増えたり、生命保険料等を払ったり、或いは住宅ローン借り入れ開始したりして、既に納付した源泉所得税の方が確定した納付税額よりも多い場合があります。この差額が源泉所得税還付となり、月例給与に上乗せ支給となります。事業主様から見ると、会社支給額が突然の大幅アップに見えるのでこれは一体何なのだ、会社が損をしてしまうとなります。しかしながら、還付額の出所は社員の皆様が事前に納付した源泉所得税勘定で調整され支給されますのでご安心ください。
◆源泉所得税制度がなかったら
文献をひもときましたら、我が国の源泉所得制度は昭和15年にナチスドイツの税徴収を参考に導入され、税金を効率的に徴収できることから今日まで制度が存続しております。そして昭和22年から年末調整が事業主様の業務となり、年末の慌ただしい税業務になっております。
もし源泉所得税制度がなければ、皆様の毎月の給与手取りは税金分が軽減となり嬉しいことです。しかしながら、確定所得税を年末に自分で一度に支払うとなると、恐らく支払い不能者がぞろぞろ出るのではないかと思います。その意味では源泉徴収制度はやむを得ざる制度と思われます。その一方で、知らず知らずに税金を取られているということは、納税者意識が薄らいでしまうことになります。自分が支払った税金が正当な使い方をされているか追求する意識が損なわれます。年末調整で還付されること自体は嬉しいことですが、元々は自分自身が事前に多く払わされていたという認識も必要でしょう。
毎年12月には皆様の給与に対して年末調整が行われます。当事務所のこれまでの経験では幾度か年末調整結果に対して事業主様からお怒りの電話を頂いておりますので、誤解のないよう今月号で年末調整の仕組みをご案内いたします。
以前12月の社員年末調整一覧をご覧になった事業主様から語気を荒げたお電話を頂きました。
「なぜ社員の今月の給料がこんなに上がってしまうのですか!」
「計算間違っていませんか!」
「この上がった分の出所は会社なのですか?」・・・
事業主様が年末調整の結果を見て、このように驚かれ,ある意味でお怒りになるのは最もと思います。実はその前年も同じような電話を別な事業主様から頂いております。特に住宅ローン控除などの税額控除の場合には多い方は控除額が10万円台にも上るので、事業主様の驚き方も半端でなくなってきます。
◆支給額アップ額の出所は納付済み源泉所得税です
毎月の給与明細を見ると「源泉所得税」があります。役員も社員も毎月自分の給与から所得に応じて税金を納めております。これが源泉所得税であり、この金額は月額表スケールで一律決定して国に納付することになっております。
社員の中には、扶養家族が増えたり、生命保険料等を払ったり、或いは住宅ローン借り入れ開始したりして、既に納付した源泉所得税の方が確定した納付税額よりも多い場合があります。この差額が源泉所得税還付となり、月例給与に上乗せ支給となります。事業主様から見ると、会社支給額が突然の大幅アップに見えるのでこれは一体何なのだ、会社が損をしてしまうとなります。しかしながら、還付額の出所は社員の皆様が事前に納付した源泉所得税勘定で調整され支給されますのでご安心ください。
◆源泉所得税制度がなかったら
文献をひもときましたら、我が国の源泉所得制度は昭和15年にナチスドイツの税徴収を参考に導入され、税金を効率的に徴収できることから今日まで制度が存続しております。そして昭和22年から年末調整が事業主様の業務となり、年末の慌ただしい税業務になっております。
もし源泉所得税制度がなければ、皆様の毎月の給与手取りは税金分が軽減となり嬉しいことです。しかしながら、確定所得税を年末に自分で一度に支払うとなると、恐らく支払い不能者がぞろぞろ出るのではないかと思います。その意味では源泉徴収制度はやむを得ざる制度と思われます。その一方で、知らず知らずに税金を取られているということは、納税者意識が薄らいでしまうことになります。自分が支払った税金が正当な使い方をされているか追求する意識が損なわれます。年末調整で還付されること自体は嬉しいことですが、元々は自分自身が事前に多く払わされていたという認識も必要でしょう。
スポットワーク直前キャンセルをめぐる訴訟と厚生労働省の指針
いわゆるスポットワークには企業による直前キャンセルの問題がありましたが、それが司法の場で争われることになりました。飲食店で働くはずだった大学生が、店側のキャンセルに対して賃金を求めて提訴したのです。川崎市の大学生の男性が提訴して請求した賃金額は1万4千円でした。僅か1万4千円といえども訴えた側には憤懣やるかたない思いがあったのでしょう。
◆経 緯
男性は5月にスポットワーク仲介最大手のタイミーを通じて東京の飲食店で働く予定でしたが、その前日にスマホでキャンセルの通知を受け取りました。1年ほど前からスポットワークを開始し、毎回異なる飲食店で働いてきた男性にとってキャンセルは初めて。お金を貯めようとしていた男性は別の仕事を探したものの、自宅から通いやすいなどの仕事は見つかりませんでした。それ以降も別の仕事先で直前キャンセルが3件続いた男性は、提訴に踏み切りました。
◆双方の主張
男性の原告側は、「マッチング時点で労働契約が成立したとするのが実態に即して合理的だ」などと主張。タイミーが「労働契約は出勤時にQRコードを読み込むことにより締結される」としていることについて、原告側はこのやり方では休業手当を支払わずキャンセルでき、労働基準法に違反するとして、賃金の支払いを求めています。被告である飲食店の経営者は、マッチング時に労働契約が結ばれるという認識はなかったとしています。
◆厚生労働省の指針
スポットワークをめぐっては、7月に厚生労働省が「別途特段の合意がなければ、事業主が掲載した求人にスポットワーカーが応募した時点で労使双方の合意があったものとして労働契約が成立する」との留意点を示したリーフレットを出しました。これを受けて、主要なアプリ事業者は9月に規約を見直しました。今後同じようなトラブルが発生しないことを望みます。
◆経 緯
男性は5月にスポットワーク仲介最大手のタイミーを通じて東京の飲食店で働く予定でしたが、その前日にスマホでキャンセルの通知を受け取りました。1年ほど前からスポットワークを開始し、毎回異なる飲食店で働いてきた男性にとってキャンセルは初めて。お金を貯めようとしていた男性は別の仕事を探したものの、自宅から通いやすいなどの仕事は見つかりませんでした。それ以降も別の仕事先で直前キャンセルが3件続いた男性は、提訴に踏み切りました。
◆双方の主張
男性の原告側は、「マッチング時点で労働契約が成立したとするのが実態に即して合理的だ」などと主張。タイミーが「労働契約は出勤時にQRコードを読み込むことにより締結される」としていることについて、原告側はこのやり方では休業手当を支払わずキャンセルでき、労働基準法に違反するとして、賃金の支払いを求めています。被告である飲食店の経営者は、マッチング時に労働契約が結ばれるという認識はなかったとしています。
◆厚生労働省の指針
スポットワークをめぐっては、7月に厚生労働省が「別途特段の合意がなければ、事業主が掲載した求人にスポットワーカーが応募した時点で労使双方の合意があったものとして労働契約が成立する」との留意点を示したリーフレットを出しました。これを受けて、主要なアプリ事業者は9月に規約を見直しました。今後同じようなトラブルが発生しないことを望みます。
