労災事故発生!その時どうします?
 お客様からの労災事故報告が最近数多くなりました。労災事故は不思議なもので事故報告がないときは長い期間全くありませんし、一旦事故報告があるとお客様から対応要請が重なることがあります。単なる巡り合わせかもしれませんが、やはり労災事故が発生しやすい時候・気候や従業員の疲れが出やすい時期とも関係するのかもしれません。

 どこの事業主の方も自分の会社が労災保険に入っていることはご存知ですが、実際に労災事故が発生した時にどうしたら良いか初めての方もおられると思います。このため、今月号では業務中の労災発生に際してご参考となることを取り上げました。

◆労災事故では健康保険証は使えません
よくあるケースですが、労災事故を受診した医療機関の精算で健康保険証を使ってしまうことがあります。しかし、労災事故に対して健康保険証は使えません。健康保険証が利用できるのは業務外の疾病負傷等だけです。また、仮に労災事故で健康保険証を利用してしまうと、元からやり直しを行う手間暇がかかりますので、労災事故で従業員に健康保険証は使わせないでください。

◆労災事故で医療機関に出す書類は?
受診する診療機関が労災指定病院の場合、様式5号(正式には「療養補償給付たる療養の給付請求書」と長い名称です)を診療機関へ提出すれば、窓口で現金を支払う必要なく同一労災事故について継続診療が受けられます。 なお、事故当日のため様式5号が間に合わなければ、次回受診時に様式5号を持参すると伝えて自己負担のない診療を受けてください。また、この診療に要した医療費用は病院から管轄労基署へ直接請求されるので、被災労働者が支給申請手続きを行う必要はありません。
 
労災事故は労災指定病院で受診することが原則ですが、近くに労災指定病院がないときには、労災事故であることを労災指定外病院に告げた上で受診し、受診費用は一旦全額ご自分で支払い、様式7号(正式には「療養補償給付たる療養の費用請求書」と長い名称です)で管轄労基署へ請求することになります。被災労働者が一時立替払いや支給申請手続きを行わなくてはならないため、労災事故は労災指定病院での受診をお勧めします。
なお、当事務所と顧問契約を締結されているお客様は以上の手続きを当事務所で手配いたしますのでご安心ください。

◆休業期間中の賃金はどうなるのでしょう
 労災保険は上記医療費の他、休業補償・障害補償・遺族補償・葬祭料など色々な局面で被災労働者に対する補償をしております。この中で、一番該当事例の多いのが休業補償のためここでご案内いたします。

 休業開始第4日目から職場復帰までの休業期間に対し、給付基礎日額の80%(労災補償60%+特別支給金20%)が支給されます。例えば、給付基礎日額1万円の方が労災で33日労災事故のため休業を余儀なくされた場合には24万円(=1万円×(33−3)日×80%)が支給されます。
 なお、最初の3日間は労基法第76条により事業主が従業員へ平均賃金の60%以上を補償する必要があります(ただし、通勤災害の場合には補償の必要はありません)

◆事業主は労災補償の対象外です
 案外労災保険の盲点となるのは、事業主の方は労災補償の対象外であることです。労災保険はあくまでも労働者を救済する制度であり、事業主補償は想定しておりません。しかしながら、中小企業の現場では事業主でも一般労働者と同じ仕事を行うことはありえます。
 その場合には中小企業主の労災特別加入制度を利用して、事業主の労災事故を補償する制度の利用をお勧めします。

事務所より一言
7月より虎ノ門法律経済事務所とパートナーシップを締結したことから、虎ノ門法律経済事務所の事務所便りと改めますが、これまで同様ご愛読をお願い申し上げます。

最近皆様がお使いのi Padを私も遅まきながら求めて使いましたら、これは実にすぐれものであることが分かりました。なにしろ、デスクトップと同じデータがサクサクと素早く出る上に、iPhoneと比べて画面が大きく、スクロールでいらいらすることがありません。惜しむらくは、もう少し軽ければ良いのにと思うことです。

また、僅か数百円を出せば、古今東西の数多くの名著が読み放題となります。先日電車の中の徒然で何気なくi Padで本を探しておりましたら、「フランダースの犬」が出てきました。子供の頃に読んだ気がしたなという軽い気持ちで読み始めましたら、もうダメでした。貧しいが絵の才能がある少年ネロと、愛犬パトラッシュの物語です。ジェハンおじいさんが生きている頃は貧しくても幸福な毎日でしたが、ジェハンおじいさんも亡くなり、最後には食べる物も何もなくなり、富家にパトラッシュを預けてネロは厳しい雪吹雪の中を出てゆきます。しかし、空腹であるはずのパトラッシュは一切の食べ物を受け付けず、ネロを追って飛び出してしまいました。そして翌朝ネロとパトラッシュは教会で抱き合いながら凍死しているところを発見されました。愛犬家である私としてはもうこのあたりになると、ウルウルとなり涙をこらえるのが精一杯です。いい年をした中高年の親父が、電車の中でボロボロ泣き出したら、周りの乗客は薄気味悪がって退いてしまうでしょう。額の汗をぬぐうふりをして涙を拭きながら読み進むのは辛いものがありました。

それにしても、人間と犬は長い歴史の中で実に深い信頼関係で結ばれてきました。なぜに人間の気持ちが犬に伝わるのでしょうか。犬の世界は言葉がないだけに一層、飼い主の気持ちをストレートに理解できるのでしょう。

日本の著名な文筆業者団体である日本ペンクラブの作家達が「犬にどこまで日本語が理解できるのか」を出版しております。これによれば、犬は日本語どころか飼い主の心の中まで分かってしまうことが書いてあります。
例えば、ある作家は愛犬の背中をなでながら、「こいつのなめし皮でパター練習用のマットを作ったら面白いのではないか」と思った瞬間に、愛犬はキャンと飛び跳ねて、なんということを考えるのですかという抗議の表情をしたあと、逃げてしまいました。また別な作家が出張から帰る家まであと5分という所で、家に帰ったら愛犬が喜ぶだろうなと思いました。すると丁度その頃から、家の中で愛犬が急にそわそわし始め家人がいぶかりましたところ主人が戻りテレパシーが通じていたことが分かりました。

そういえば、私の愛犬桃太郎も、私の仕事が一段落して桃太郎におやつでも上げようかなと思いながらふと見ると、いつの間にかラブラドールの大きな黒い尻尾をブンブン振って嬉しそうにこちらを見ております。犬は本当に不思議な生き物です。

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