◆2021年06月号 10万円では安過ぎませんか?

10万円では安過ぎませんか?

◆東京都奨励金のことです
「新型コロナウイルス感染症緊急対策に係る雇用環境整備促進奨励金」という長い名称の奨励金が東京都で4月から出来ております。

この奨励金は、雇用調整助成金を受給した事業主を対象として、社内で休業手当制度やテレワーク制度等を導入した企業に1回限り10万円を支給するという新設奨励金です。

支給に至るまでの手続きプロセスを点検すると、リクエストされる法的書類が実に多く、事業主様として行わなければならない作業負荷が大きい奨励金と思われます。最新の印鑑証明・登記簿謄本・納税証明書等を集めに役所へ走り回ることは忙しい事業主様にとり大仕事です。その他の書類も含めて一件書類が集まっても、次は就業規則の改定を行わなくてはなりません。社会保険労務士とのお取引があれば、声を掛けて頂ければ大丈夫ですが、独力で対応することは費用対効果で望ましいものとは言えません。

これまで社会保険労務士として助成金・奨励金を手掛けておりますと、受給のため掛けるエネルギーと受給額には均衡関係があると感じております。
高額の助成金・奨励金を獲得するためには多くの投入エネルギーが必要であること、その一方で簡単な手続きで済むものであれば、得られる助成金・奨励金も少額であるという均衡関係です。

今回の「新型コロナウイルス感染症緊急対策に係る雇用環境整備促進奨励金」はこの均衡関係を失している感があります。私の感覚では少なくとも25万円が適切でしょう。このようなことから申請件数も少ないと見えて、6月末締切が10月末締切へ延長となりました。

一方、この奨励金よりは若干負荷が係っても助成金額125万円という大型奨励金が同じ東京都にあります。「働くパパママ育休取得応援奨励金ママコース」は出産女子社員に育休1年間を与えた会社へのご褒美として、就業規則を手直しすることで125万円です。前提条件が違うとはいえ、ほぼ同じ手間暇で奨励金額が10万円と125万円では違いがありすぎます。

新型コロナワクチンの職域接種と労働時間の取扱い

◆ワクチン接種に関する休暇や労働時間の取扱い
新型コロナワクチンの接種を加速化するため、企業や大学での「職域接種」が開始されています。ここではワクチン接種に関する休暇や労働時間に対する厚労省見解をご案内します。

まずはワクチン接種と副作用対応時間は労働時間とはされておりません。とはいいながら、やはり労働者の方が安心して新型コロナワクチンの接種を受けられるよう、事業主へは以下の制度導入の要請があります。

①ワクチン接種や、接種後に副反応が発生した場合の療養などの場面に活用できる休暇制度を新設すること
②特段のペナルティなく労働者の中抜け(ワクチン接種の時間につき、労務から離れることを認め、その分終業時刻の繰り下げを行うことなど)
③出勤みなし(ワクチン接種の時間につき、労務から離れることを認めた上で、その時間は通常どおり労働したものとして取り扱うこと)を認めること
これらの選択は事業主ご判断になりますが、やはりワクチン接種は自分だけのためでなく職場全体のためであり、快くワクチン接種を受けられるように雰囲気作りが何より大切と思われます。

事務所より一言
些か尾籠なお話で恐縮ですが、先日思い立ちまして1週間髭を生やしてみました。最近は外出する機会も少なくなり、また、人とお話しする時も大きなマスクをすれば外から分からないので、面白半分に始めました。正にコロナ騒動最中だから出来る人体実験です。

1週間後の自分の顔に驚きました。良い悪いではなく、全く印象が異なりました。自分はこんな顔にもなるんだという新たな発見でした。

日本では無精髭という言葉があるように、髭を生やすのは社会的にアブノーマルと見られがちです。かつて勤務した損保業界の頃の話を思い出しました。某大手損保から中東に長期派遣された方が日本へ帰国するときに、親友となった現地の方から「日本に帰ったらこの見事な髭がなくなるのは寂しい」と悲しげに言われたそうです。男気に打たれたその方は、「日本に帰っても髭をそらないと約束する」と言ったそうです。そして帰国した役員会で、自分はこのような事情があるので、髭は剃りませんと宣言した話が面白げに伝わってまいりました。思えば今は金融機関で髭を生やしている人はまず誰もいないでしょう。

髭にもそれぞれの国の文化があると思います。日本では髭の名称は、口髭、頬髭、顎鬚とボキャブラリー自体寂しいですが、髭を生やす文化の国では、英語ではそれぞれ、mustache、whiskers、beardと部位に固有な名称がついております。これだけでも髭の文化の深さの違いを感じます。
私は1週間ですっぱりと髭を剃りました