◆2021年01月号 新型コロナによる離職者のための対策

皆様明けましておめでとうございます。
今年もどうか宜しくお願い申し上げます。
緊急事態宣言と特効薬ワクチンが奏功し今年こそ新型コロナが沈静化し、日常生活が回復することを切に願っております。

新型コロナによる離職者のための対策

◆現在検討中の新規助成金
新型コロナにより何より影響を受けるのは雇用です。かつての民主党政権時代、菅直人元首相の経済対策は「1に雇用、2に雇用、3,4が無くて5に雇用」と叫んでいたことを思い出しました。しかしながら昨今の経済環境で仕事がないのに雇用維持を行うことが事業主様にとり如何ほどに大変なことが、社会保険労務士として目の当たりにしております。

現実は新型コロナにより離職を余儀なくされる方が労働マーケットにあふれ出ております。厚労省ではこの対策として、新型コロナ離職労働者を会社が新規採用したときに、1名当たり月額4万円を支給するという情報がありますので、皆様へ速報いたします。助成金名称や支給期間及び助成金対象者等詳細は発表されておりませんが、来月スタート予定であり、社員新規採用に際しては助成金利用をお勧めします。

◆新型コロナ離職者は給付制限がありません
新型コロナで会社を解雇された離職者には雇用保険の給付制限期間がありませんので待機7日間が過ぎれば直ぐに失業手当を受けることが出来ます。

それでは、会社からは解雇されなくとも、家族がコロナに罹患し介護が必要になり、或いは、職場でコロナ罹患者が出て感染拡大のため離職する、又は、コロナの影響で子供の養育のために離職するときは、どうでしょうか。この場合も「正当な理由のある自己都合離職」とされ、給付制限期間なく失業手当を受けることができます。このような事情で離職する社員に対しては離職票に正当な理由を付して給付制限を外してあげることをお勧めします。なお、この理由による退職者を出しても、助成金等のペナルティーはありませんのでご安心下さい。

◆給付制限期間について
本当に自己都合の退職の場合、退職者に大きな心理的圧迫となるのが、給付制限期間です。会社を辞めたいけれど給付制限期間があるのでその間失業保険が貰えず無収入となるので辞められないという方が多いと思います。

それでは給付制限期間はどの位でしょうか?給付制限期間とは3か月間というのがこれまでの常識となっておりましたが、実は昨年10月1日より2ヶ月に短縮しております(5年間で2回までという利用制限付です)。辞める側にとり、給付制限1か月の短縮は大きなインパクトがありますので、会社でも承知しておくべき事項と思います。

介護・福祉への労働力シフト政策

◆介護・福祉労働者不足が緊急課題
人手不足の指標となるのが有効求人倍率ですが、顕著な人手不足の倍率となっているのが介護・福祉職種です。東京都では求人倍率6.43倍(6.43社が求人を掛けている中で求職者1名)の状態です。日本社会の高齢化を支えるために必要な絶対的な労働力が不足しております。他方、コロナにより離職し、新たな職場を求める方も多いアンバランスな労働マーケットです。このアンマッチを結びつけ労働力均等化を図るための施策が検討されております。

◆未経験者を介護・福祉へ誘引させる諸施策
従来の介護・福祉従事者だけではとうてい市場ニーズに対応できないために、未経験者を新たに誘引する次のような諸施策が現在検討されており4月からスタートする方針です。具体的には、ハローワーク窓口で求職者に対して下記1~3をパッケージにして提案し、新たに介護・福祉への転職を促すものです。

1.資格取得職業訓練の無料受講
2.訓練期間中の失業手当継続受給
雇用保険未加入者は月額10万円
3.企業就職の段階で転居等準備の貸付
20万円(介護施設等で2年継続勤務することで返済不要)

厚労省の試算では、介護・福祉業界のため毎年6万人の新たな人材確保が必要であり、この施策により2万2千人が介護・福祉業界へ新たに参入してくれることを目論んでおります。

法令改定情報(70歳までの雇用確保が4月より努力義務になりました)

◆これまでの高齢者雇用安定法(65歳までの雇用確保(義務))の内容

高年齢者雇用安定法は、①60歳未満の定年禁止、②65歳までの雇用確保措置を定めています。①は、事業主が定年を定める場合は、その定年年齢は60歳以上としなければならないということです(法8条)。②は、定年を65歳未満に定めている事業主は、ア.65歳までの定年引上げ、イ.定年制の廃止、ウ.65歳までの継続雇用制度(再雇用制度・勤務延長制度等)の導入、のいずれかの措置を講じなければならないといものです(法9条)。①②いずれも当該労働者を60歳まで雇用していた事業主を対象に義務づけられています。

◆令和3年4月1日からの改正
65歳から70歳までの就業機会を確保することを目的に、令和3年4月1日からは、上記65歳までの雇用確保(義務)に加え、以下のいずれかの措置を講ずる努力義務が新設されました。当該労働者を60歳まで雇用していた事業主が対象となります。
①70歳までの定年引上げ
②定年制の廃止
③70歳までの継続雇用制度(再雇用制度・勤務延長制度)の導入
④高年齢者が希望するときは、70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度の導入
⑤高年齢者が希望するときは、70歳まで継続的に以下の事業に従事できる制度の導入
・事業主が自ら実施する社会貢献事業
・事業主が委託、出資(資金提供)等する団体が行う社会貢献事業