◆2020年5月号 パート・アルバイトのコロナ休業(緊急雇用安定助成金)

◆助成金の途が開けました
新型コロナによる就労への影響は正社員・契約社員・パート・アルバイト等身分の呼称に関わらず社員全体に及ぶものであり、会社命令の休業に対しては休業者の身分を問わず労基法で定める休業手当を支払う責任があります。

しかしながら、休業手当をバックアップすべき雇用調整助成金はこれまで雇用保険被保険者に限定されており、パート・アルバイトの休業手当負担は事業主が丸抱えとなっておりました。

この4月1日より6月30日までの特例期間中は、パート・アルバイトの休業手当についても助成金が支給されることになりました。「緊急雇用安定助成金」という助成金です。雇用調整助成金が雇用保険財政から支出されることに対して、緊急雇用安定助成金は労働保険財政から支出されます。

◆制度の仕組みは雇用調整助成金と同様
緊急雇用安定助成金申請が可能な事業主は前年同月対比で5%以上売上高が減少することなど、雇用調整助成金と同様です。ただし、助成金の算定方法として、雇用調整助成金は前年度の労働保険年度更新数字を基準としますが、緊急雇用安定助成金は、実際に従業員に支払った休業手当を基準とします。むしろこの方が分かりやすいと思われます。

行方定まらぬ雇用調整助成金制度

◆刻々変わる助成金内容
新聞報道では日々雇用調整助成金の報道が行われておりますが、私が見ていると、厚生労働省は雇用調整助成金を一体どう固めようとしているのか分かりません。例えば休業手当の支払い率60%を超える助成金を特例的に10分10にするとか、現在の1日支給限度額を8,330円から遡及して引き上げる方針であるとか、様々なアドバルーンを上げております。助成金の拡充を目指す意図らしいですが、実際に利用するユーザーを初めてとして現場はその都度混乱しております。早期に明確な方針を固めて欲しいと願っております。

また、雇用調整助成金を受理する労働局でも大混乱しております。ある地方の労働局では、3月に計画申請を行なえば、3月中に4月、5月、6月の計画申請も出さなければ4月以降は認められないと主張し、別な労働局はそのような建前通りでいける訳はなく、4月以降に計画申請を行なっても計画届を受理するとの見解でした。つまり大いなるローカルルールが発生しております。そして、労働局の担当者から聞いた話ですが、労働局自体も次々に発出される本省からの通達に振り回されているとのことでした。今度は毎月の計画届が不要になるとの情報が出ました。

◆それでも雇用調整助成金を利用しましょう
雇用調整助成金制度が現在大混乱していることは以上申し上げた通りですが、社会保険労務士としては折角の雇用調整助成金を目一杯利用することを皆様へご提案します。

助成金ビジネスを長く手掛けておりますと、助成金にはどうやら二種類に分かれると感じます。一つには、やたら細かく厳格な条件を付けて、時には落とし穴のような所も設けて、気付かずに申請したらそれは条件を満たしていないのでアウトですと言い出す助成金であり、一方で余りないのですが今回の雇用調整助成金のように、雇用の維持のために出来るだけ皆様へ受給して頂きたい、多少の不備は咎めませんというスタンスの助成金です。このため、雇用調整助成金を利用して、現下の厳しい事業経営の一助とされることをお勧めします。

また、マスコミ関係での雇用調整助成金の誤報道も気になります。昨日5月12日の新型コロナ関係テレビ報道では、雇用調整助成金を希望した事業主様が申請したらあと11種類の提出書類がないとダメと窓口でいわれて断念した話がありました。そんなことはありません。今は5種類の申請で計画届が可能です。詳細が分からなければ助成金に通じた社会保険労務士にお尋ねください。

申請されました?持続化給付金

◆持続化給付金は5月1日スタートしました
以前からご案内しております持続化給付金が5月1日より受付開始しております。新型コロナにより甚大な影響を受けた事業主様をサポートするためのこの給付金はとてもシンプルであり、また、支給金額が大きいので対象となる事業主様には是非ご利用をお勧めします。

具体的には今年1月から12月の事業主様が選択した月で、前年同月比50%減少の企業に対して、法人200万円、個人100万円(ともに年間売上減少分限度)が支給されます。

◆持続化給付金の計算方法

S(給付額)=A(申請日の属する事業年度の直前の事業年度の年間事業収入)-B(対象月の月間事業収入)×12

具体的な法人の数字で計算してみます。
A(直前年度年間売上高):2,400万円
B(対象月4月):80万円
(前年4月売上200万円、当年4月売上80万円
☞対前年60%減であり対象月となります)
S(給付額)=2,400万円―80万円×12月
=1,440万円
☞上限200万円の給付額となります。

テレワーク就業規則

◆テレワーク導入企業には必要となります。
これまでの日本企業の就業規則では、出勤時間と退勤時間が定められておりました。つまり一同に会して働くことが当然の働き方でした。しかしながら、今回の新型コロナにより社会的な潮流となりつつあるテレワーク勤務は、これまでの就業規則では収まらない働き方になります。例えば、テレワークとする対象業務の選定、勤務時間や休日休憩の管理方法、業務報告のありかた、賃金決定の要素など、根本から見直さなくてはならない課題が発生します。テレワークを導入検討される事業主様には併せてテレワーク就業規則をご用意されることをお勧めします。