◆2019年12月号 「完売御礼」の助成金

勤務間インターバル助成金

◆助成金の人気も様々です
長いこと助成金ビジネスを手がけておりますと、人気が出て年間予算を使い切ってしまい「完売御礼」となる助成金もあれば、年間利用者がほとんどおらず、開店休業みたいな助成金もございます。その差異は、助成金額の規模と手続きの難易度が主な理由です。

昨年スタートした勤務間インターバル助成金は人気が出たため、関東一円(東京・神奈川・千葉・埼玉)の各労働局で「完売御礼」状態となり前月から新規受付が停止となっております。どの労働局でも当初予算枠を使い切った後に本省にお願いした追加予算で対応しましたが、それでも勢いが止まらずついに「完売御礼」になったそうです。来年度はどうなるかはまだ分かりませんが、同様な助成金ができれば早い者勝ちになりそうです。

◆勤務間インターバル助成金とは
昨今は働き方改革が声高に叫ばれておりますが、勤務間インターバル助成金も働き方改革を促進するために新設された助成金です。例えば深夜12時まで勤務した労働者でも、就業規則の勤務開始時間が午前9時ならば、翌日はこの時間に出社しなくてはなりません。終業から始業までの9時間で帰宅して遅い食事を取り、入浴して睡眠を取りまた出社しなくてはならず、健康問題にもなりかねません。勤務間インターバル助成金は、終業から始業までに11時間のインターバルを設ける制度を就業規則に定め、労働軽減に有効な器機購入等を行った事業主の方に支給される助成金です。前出事例の深夜まで勤務した労働者の翌日の出社時刻は午前11時に改善されます(ただし、これが厳正に守られていることの助成金フォローは今の段階ではありません)

◆助成金対象の労働軽減器機例
これまで人間の手で行われていた作業等に対して器機を購入設置して労働軽減となるものが対象となります。具体例は次の通りですがこれに限らずどの業種でも労働軽減につながるものが対象となります。

・小売業:POSシステムを導入して在庫管理負担を軽減する。
・飲食業:自動食器洗い乾燥機を導入して食器洗い負担を軽減する。
・介護業:リフト付き自動車を導入して介護作業負担を軽減する。
・建設業:ダンプカーを追加導入して待ち時間を軽減する。
・美容業:複数の施術を1台で行える美容器機を導入して移動時間を軽減する。
・設計業:3DCAD専用機を導入し作図にかかる時間を軽減する。
・薬局:医薬品の区分けに分包機を導入して省力化する。

また、業種を問わず以下の費用も対象となります。
・労務管理用ソフトウェア導入開発費用
・タイムカード、ICカード読み取り装置の導入費用
・テレワーク用通信器機の導入費用
・求人情報紙サイトや求人情報紙の掲載費用や人材採用ホームページ作成費用(10万円限度)
・社会保険労務士等専門家による社員教育費用(10万円限度)
・社会保険労務士による就業規則改定費用(10万円限度)

◆勤務間インターバルの助成金額
勤務間インターバルの助成金額は細かい規定がありますが、例えば30名以下の企業が30万円以上の労働軽減器機を購入したときには、購入費用の5分の4(100万円限度)が支給されます。先に記載の労働軽減器機等はかなり金額的に大きくなるものであり、勤務間インターバル助成金利用により費用圧縮が図れます。

◆勤務間インターバルを利用するためには
一般的に助成金制度は使った経費を後出し請求できるものではありません。勤務間インターバル助成金で言えば、まずは交付請求書を労働局へ申請して、我が社ではこの様な器機を購入する計画があること、購入することで人間の手間がどの位軽減されるか具体的に数値化すること、購入する業者からの複数見積等が要求されます。事務的には書類の種類と量の大きい助成金ですので、この助成金の経験の多い社会保険労務士に依頼することをお勧めします。当事務所では関東一円の多くの事業主様のために勤務間インターバル助成金を手がけている事を申し添えます。新年度の方向が定まりましたら改めてご案内申し上げます。

この奨励金は「宝くじ」なみ
東京都ジョブリターン制度奨励金

◆なんとハードルの低い奨励金
皆様にお勧めできそうな助成金・奨励金を物色しておりましたところ、東京都内の事業所限定で募集の「ジョブリターン制度奨励金」に行き当たりました。募集要項には色々条件が記載されておりましたが、端的に言えば、今ある就業規則に「ジョブリターン制度」を新設するだけで20万円という、とてもハードルの低い奨励金でした。

ジョブリターン制度とは、社員が結婚、配偶者の転勤、妊娠・出産・育児、または介護を理由に一旦退職しても、戻って働ける制度を整備することで支給されるものです。私の方で申請すれば間違いなく20万円が頂けます。

◆当たらない! また当たらない!
しかしながら、この様にハードルが低い故に応募者が殺到しました。当事務所でもお客様にご案内して応募頂きましたが、落選悲報が続出しました。1回目に限らず、4回目までチャレンジして頂いたお客様もそれでも落選でした。お客様からの情報では応募倍率が10倍くらいの数字になっていたとのことでした。このような宝くじみたいな助成金・奨励金は初めてです。辛うじて2社が当選でき、それぞれ20万円を得て頂きましたのがせめてもの慰めです。

今回落選された方には心からお詫び申し上げます。しかしながら、ジョブリターン制度自体は今の日本の労働環境でとても重要な制度であり、おそらく来年度も東京都では予算枠を広げて募集されると思われます。詳細が決定しましたら、改めてご案内申し上げますので、これに懲りずにチャレンジをお願い申し上げます。