2016年5月号|新宿区の助成金申請代行・就業規則作成なら、社会保険労務士法人渡邊人事労務パートナーズにお任せください。助成金 就業規則 人事コンサルタント

社会保険労務士法人 渡邊人事労務パートナーズ 代表社会保険労務士 渡邊武夫
電話番号
これから知っておくべき成年後見人制度

◆「まさか俺がな〜・・・・」
 ある紙おむつのテレビコマーシャルで、初老の夫が、おもらしをして干してあるズボンを見ながら、がっかりつぶやく言葉です。この後で妻が「あなたと結婚してよかった!」と腕を組むシーンで深刻な話が救われますが、実際はこのような場合本人には相当にショックと思います。そして、老いは誰にでもやってきます。

厚生労働省によれば、10年後には認知症の人は700万人になると推定しております。65歳以上の5人に1人に当たるということであり誰も他人事とは思えない数字です。ドラえもんの声優大山のぶ代さん(82歳)が認知症を患っており夫の砂川啓介さん自身も尿道がんを患っているために今年4月に老人ホームに入所したという最近のニュースがありました。2分前の事も忘れてしまうとのことです。あのドラえもんの元気な声が耳馴染んでいるだけに尚更他人事ではないと実感します。「まさか妻が(あるいは父、母、夫等が)認知症になるなんて・・・」と天を仰ぐこととになることは勘弁してもらいたいと切望します。しかし万一そのような事態になった時に用意されている法律が成年後見人制度(知的障害も含む)です。成年後見人制度は判断能力に欠けるあるいは不十分な方(成年被後見人等)を、法律面や生活面で保護し支援する民法の制度です。


◆成年後見人の役割
 成年後見人の役割は、一言でいえば精神上の障がいのある(厳密な言葉では「事理を弁識する能力を欠く常況にある」)成年被後見人が恙なく安心して生活できるようにすることであり、具体的には次の3項目が柱となります。なお、成年後見人になるためには、任務開始前に家庭裁判所から選任を受ける必要があります。

1.財産管理・・・成年被後見人の財産を本人のために活用し管理します。
2.身上監護・・・成年被後見人の身上に関する一切の事務であり、本人のため必要とする様々な契約も代理して締結します。ただし、介護施設等での介護サービス等労力現物提供は成年後見人制度の身上監護から外れます。
3.家庭裁判所への報告・・成年後見人として適切な職務を遂行していることの報告を家裁へ行います。

◆禁治産と成年後見人制度の違い
平成12年の民法改正で成年後見人制度ができるまでは、心神喪失の常況に在る者は禁治産者と呼ばれ、戸籍にも掲載されました。禁治産者は心神喪失者を明確にするいわば排除の論理ですが、一方禁治産者に代わる成年後見人制度は、ノーマライゼーション(障害の有無にかかわらず、すべての人が普通の生活を送る権利がある)の基本理念に立っていることが根本的な違いです。戸籍への掲載はなく、成年被後見人であることは登記で行われます。

◆任意後見人制度もあります
 自分は将来も絶対ぼけないと確信する方は余り多くないと思います。万一の場合に備えて、正常な意識があるときに公正証書により成年後見人契約を締結する任意後見人制度もあります。

◆成年後見人制度の利用状況
10年後には認知症の方が700万人になると見込まれており、本来ならばこの数だけ成年後見人が必要ですが、我が国で成年後見人制度を利用している方は現在17万6千人にとどまっております。このことは成年後見人制度がまだまだ周知されておらず、本来の利用が行われおらず制度普及が必要であることを示しております。そして成年後見人の育成と体制の整備は社会的に急務となっていると言えます。

◆渡邊が専門職成年後見人候補者として裁判所に名簿登載されております
平成12年制度発足時の成年後見人は配偶者や子どもなどの親族が成年後見人を務めるケースが圧倒的でしたが、現在ではいわゆる「士」業が成年後見人の58%を占めております。この背景には一人暮らしや高齢の夫婦など身近に対応できる親族がいないケースや、プロの専門職成年後見人に委ねて安心したいという親族の方が増えたものと思われます。
 成年後見人としての国家資格は特にありませんが、従来は弁護士、司法書士、社会福祉士が多く就任されておられましたが、最近では社会保険労務士も専門職成年後見人として参画しております。当職も東京都社労士会の所定長期研修を終了し、専門職成年後見人候補者として裁判所に名簿登載されております。

事務所より一言

先日のゴールデンウィークを利用して、四国八十八カ所を参拝してまいりました。車で8泊9日の行程でした。中2日間事務所を空けて大変ご迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした。

思い返せば今回でお四国参りも7回目となります。お四国参りの魅力は「観光・健康・信仰」と言われます。まず「観光」では、四国の行く先々が観光スポットです。例えば38番札所金剛福寺から歩いて5分で足摺岬に出ます。断崖絶壁の上に立つ足摺灯台は必見の価値があります。また、84番札所屋島寺に行く有料道路高台から見下ろすと、源平合戦の舞台となった壇ノ浦古戦場が一望できます。眼下の入江で源義経が戦い、那須与一が平家の小舟に掲げられた扇を射落とした、まさにその場所がパノラマビューで見ることができます。

もう一つの「健康」ですが、お寺参りの朝は早く、午前7時から納経帳受付が開始となり、数多くのお遍路さんがすでに集まっております。午後5時には社務所も閉まってしまいますので、早寝早起きの健康生活となります。また、多くのお寺は険しい山の中にあります。例えば45番岩屋寺は何処まで岩道を登っても山門にたどり着かない様な感があります。また、71番弥谷寺は、一挙に420段の階段が続いております。登らなければお参りができませんので足腰が鍛えられることになります。

しかしながら、お四国参りの本筋はやはり「信仰」でしょう。弘法大師が歩かれた足跡を辿り、お大師様と同行二人で八十八カ所を参拝することで心が浄化されます。遍路道の何気ないツツジの色に心を吸い寄せられ、山中のどこからか聞こえる鶯の声に聞き惚れます。普段であれば何でもないことに対してもお四国参りでは心が開きます。現世で契りを結びながら家族を残して先立たれてしまったかけがえのない人の菩提を弔い、回向文を読んで御仏様のお陰により現在多生のご縁を頂いている多くの方々の安寧を祈ります。こちらへ帰ってきますと、次は何時お四国参りに又いけるだろうかと思うほどなぜか心惹かれます。皆様も「観光・健康・信仰」を兼ねてお四国参りをされてはいかがでしょうか。

PageTop

Copyright(C) Watanabe personnel affairs labor partner All Right Reserved.