2019年9月号|新宿区の助成金申請代行・就業規則作成なら、社会保険労務士法人渡邊人事労務パートナーズにお任せください。

社会保険労務士法人 渡邊人事労務パートナーズ 代表社会保険労務士 渡邊武夫
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立腹メールはダメです
◆解雇は目前の助成金を水の泡にします
 社労士として助成金ビジネスを行う中で常々事業主様にお願いしておりますのは、解雇者を決して出さないことです。助成金を受給するためには、数多くのステップを踏んでようやく受給申請にこぎつけます。しかしながら受給直前で解雇者を出してしまうとこれまで苦労してきた折角の助成金プロセスが水の泡となります。ハローワークからすると解雇者を出すような会社には助成金は支給できないという方針で、解雇前後6カ月の助成金は停止されます。今月の事務所便りでは以前あった残念な事例をご紹介して皆様の参考にして頂ければと願います。

◆目前の90万円がポロリとゼロに!
 飲食店を営む事業主様は毎日シフトを組むのに苦労しておりました。いつもぎりぎりの人繰りで、この日は特に休まれたら困るという状況で女子社員から次のメールが入りました。「前なら頼んでいた水道屋さんが今日来てくれるのでお休み下さい(絵文字)」
 絵文字付きのこのメールに激怒した事業主様は即返信しました「本日をもってあなたは退職として下さい」
実はこの女子社員は母子家庭の母としての採用で特定就職困難者雇用開発助成金90万円(現在は60万円)の支給が予定されておりました。しかしながら、このメール一発で助成金がポロリとゼロとなりました。さすがに事業主様もあとで冷静になり、辞めさせる意図ではなかったと伝えようとしましたが、時すでに遅し、女子社員はこのメールをハローワークに持参して会社からの解雇であると申し立てを行い認められました。私がハローワーク担当者と折衝しましたがメールが決定的な証拠になり解雇扱いは覆りませんでした。

◆メールは確定証拠になります
 本件では助成金90万円がゼロになっただけではなく、解雇予告手当30日分支払いを余儀なくされました。大損害です。
今回の事例で本来の原因はポカ休をした女子社員にあります。人繰りができなければお店が運営できない事業主様のお気持ちが痛いくらい理解できます。しかし立腹した気持ちをそのままメール返信することは内容によっては確定証拠になり大きな反撃を受けることになります。このことを踏まえてくれぐれもメールのやり取りにはご注意願います。

◆ポカ休社員への対応
しかしながら、ポカ休を繰り返す社員に対しては何等かのけじめをつけなくてはなりません。シフト制であれば尚更です。ここで腹立ち紛れに「今後のシフトは入らないで結構」などメールしたらそれこそ相手の思うつぼとなります。この様な場合には、例えば「貴殿の今回の突然の休暇による会社の業務混乱は当社就業規則〇条(懲戒)により出勤停止1週間に相当しますので、来週のシフトは入らなくて結構です」とすれば適法な指示となりますし通知にもなります。メールも書き方次第となります。懲戒規定を正しく運営し迷惑社員対策を行うことをお勧めします。なお、最近では会話のやり取りを携帯録音し、自分に都合の良い部分を抜き出し訴えるやり方もありますので、口頭だから大丈夫とならない用心も併せて必要です。

こんなDMが届いたら?
◆社会保険料が半額になりますよ
ファックス受信したダイレクトメールに関するご相談を事業主様から頂きました。内容を見ると幾つか社会保険料軽減事例があり、例えば年収1200万円の事業主様の社会保険料が147万円から64万円に軽減できる秘策があります、或いは現在役員報酬が高いために在職老齢年金調整を受けている事業主様にはカットされている193万円が復活できますという夢のような内容が記載されておりました。この秘策にかかるセミナーを開催するので本来は5千円の所、今なら3千円で参加出来ますとありました。

◆エセセミナーにはくれぐれもご注意
 このようなことが出来ないことは始めか
ら分かっていそうですが、やはり軽減され
る金額が大きいとついついそそられてしま
います。いかにももっともらしい書き方を
して参加を募っております。しかも社会保
険労務士の参加はお断りするとされており
ます(社会保険労務士が参加するとエセセ
ミナーであることが露見してしまいます)。
この内容は放置できませんので警告をすべ
く私からセミナー事務局と書いてある電話
番号に連絡のところ、昼間から留守電でし
た。今は様々なセミナーのダイレクトメー
ルが皆様へ入ると思いますが、内容を精査
しないとこのようなエセセミナーに遭遇し
時間と費用を無駄にしますのでくれぐれも
ご注意願います。

事務所より一言
先月2泊3日で高野山・熊野本宮大社・伊勢神宮の寺社ツアーに参加しました。息子からの親孝行プレゼントで一緒の旅でした。
最初の高野山で訪れたところは奥之院御廟です。弘法大師が即身成仏され静かにお休みになられております。1200年もの間お大師様のために1日2回御廟にお食事が供えられます。スケールこそ違え、私達も毎日お仏壇にお香とお水やお供え物をすることも同じ心と思います。
次の熊野本宮大社へ向かうため熊野古道を歩きました。熊野古道では山中の足場の悪い細い道のりが延々と続いております。天皇や上皇を始めとした平安京以降の貴族が数百キロのこのような道のりを厭わずはるばる京都から参拝することに、人を突き動かす信仰の力を思わざるを得ません。
続いて伊勢神宮へお参りいたしました。一生に一度はお伊勢参りという言葉がありますが、今回初めてのお伊勢参りでようやく心の重しが取れた思いです。

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